設計(土木)現場担当者インタビュー

本当の「出番」は10年後。 その日のために実力を磨く。本当の「出番」は10年後。 その日のために実力を磨く。

2017年入社 技術部 設計課

入社以来、耐震設計、付属構造物の設計、緑地化の検討、構造改良検討、設計基準の改定など、さまざまな業務に携わる。技術開発でも、「支承部品の落下防止ネット」の開発に従事。研究成果を土木学会で発表。

憧れだった高速道路の仕事。
地元関西に恩返しもできる。

Q. 入社の動機を教えてください。

子どもの頃から高速道路や大きな道路橋を見るとそのスケールの大きさに感銘を受け、将来は高速道路にかかわる仕事につくのが夢でした。高速道路は、広い意味で暮らしや社会を支える大切な役割を担っているだけに、社会的な責任も大きい仕事です。
また子どもの頃からずっと暮らしてきた愛着深い大阪の街や地元関西に貢献することもできて、阪神高速技研は私にとってすべてを叶えてくれる仕事でした。

上部工の耐震補強設計を担当。
標識などの付属構造物の設計も。

Q. 携わっている仕事について教えてください。

主に担当しているのは、上部工の耐震補強設計と付属構造物の設計です。阪神高速道路は、阪神淡路大震災で大きな被害を受けました。これを教訓として、橋桁を巨大地震が起きても落橋しないように補強するのが上部耐震補強設計の仕事です。
また高速道路には、道路標識やTV支柱、門型標識など多くの付属構造物が設置され、お客様への情報提供や利便性向上になくてはならない役割を果たしています。この付属構造物を設計するのも、私の仕事の1つです。

10数年をかけた一大プロジェクト。
3年目で与えられた大きな使命。

Q. 仕事のミッションについて教えてください。

先ほどの上部耐震設計を進めるにあたって、阪神高速道路の総延長は258.1キロにおよび、全線で個別に設計を行っていては、時間がいくらあってもたりません。そこで今回は、はじめに標準的なタイプや工事数量を決めた設計パターンをつくり、工事区間が決まればその設計パターンからその区間に必要なタイプ、工事数量を算出していくという方法をとっています。
全線の耐震補強が完了するのはまだまだ。最後の工事完了を見届けて、はじめて任務は完了します。プロジェクトは、始まったばかりです。

3年目で重要プロジェクトを担当。
やりがいを感じないわけはない。

Q. やりがいを感じるのはどんな時ですか?

阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震と大きな自然災害が相次ぎ、国の耐震基準はここ数年、ますます厳しくなっています。阪神高速道路は災害時の緊急搬送路にも指定され、今後想定される南海トラフ地震のような巨大地震にも耐えられる耐震強度が求められています。そのための対策で軸となるのが、先ほどの上部工の耐震補強です。
入社3年目で、そんな会社の未来にもかかわる重要テーマを与えられたことに、喜びとやりがいを感じないはずはありません。大きな責任を負っていることを強く認識し、職場の先輩や上司の力も借りながら、重責を果たしていきたいと思っています。

道路の病気を治す「お医者さん」
引き出しの多さがものを言う。

Q. 大切にしていることは何ですか?

補強・補修設計の仕事は、「お医者さん」の仕事に似ています。長い間、過酷な環境にさらされて受けたダメージを修復し、道路に新たな生命を与えることが技術者の仕事だからです。お医者さんは、病気の症状や程度に応じて最適な治療法を選択し、提案します。
構造物の設計技術者も同じ。設計を進める中で生じるさまざまな課題に対し、あらゆる可能性を視野に入れながら、ベストな解答を発注者に提案することも技術者の大切な役割だからです。それにはどんな課題に直面しても、解決策を提示できるだけの「引き出し」を自分の中に用意しなくてはなりません。勉強の毎日に、終わりはありません。

目の前の仕事に全力で取り組み、
プロジェクトをリードできる
存在になること。

Q. これからの目標を教えてください。

長い間の夢でもあった高速道路の仕事に携わって3年余り。さまざまな業務を経験し、自分なりに成長も実感しています。しかし阪神高速道路というインフラを未来につなぐための「リニューアルプロジェクト」が進む今、増え続ける業務を効率的にこなしていくために、技術者一人ひとりが個々のスキルをさらに磨き、経験知を高めていかなくてはなりません。
今から10年も経てば、もはや若手ではなくなり、中堅技術者としてプロジェクトの先頭に立って活躍することが求められます。今はそんな「本番」に備え、腕を磨く準備の期間。そんな意識を忘れずに日々の業務に全力であたり、自分を成長させていきたいと思っています。

今でも忘れない出来事

難しい議論をまとめ、3年間の成長を実感。

4号湾岸線の「助松ジャンクション」(泉大津市)に新たに料金所を設置することが決まり、案内標識や施設機器を取り付けるための設計を担当しました。さっそく阪神高速道路(株)や社内の関係部署との協議開始。ところが設置方法について予想以上に多くの制約があり、話し合うべきテーマも多岐におよんだため、議論は思うように進みません。
そんな中、過去の事例を参考に新たな取り付け方法を提案。設置構造についても助言するなど積極的に発言したことで、7ヶ月の期間を要したものの、どうにか設計方針を最終決定することができました。入社して3年。試行錯誤しながらも、技術者として前に進んでいることを実感した出来事でした。

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